2005 国際連合 世界情報社会サミット(WSIS) 東京ユビキタス会議

  2005年11月に「世界情報社会サミット(WSIS)」を国連がチュニジアのチュニスで開催します。

 これに先だって、国連「世界情報社会サミット(WSIS)」のテーマ別会合の東京ユビキタス会議が世界各国、数多くの国際機関・地域の代表や企業のほか、日本も含めNGO・市民団体が参加してユピキタス社会や情報社会に関する有益な論議が2005年5月16日から17日まで東京・京王プラザホテルで開催されました。  

 これに関連して5月15日・18日には「サイドイベント」が開催され、世界各地の市民・NGOの人々が参加しました。

 この国連「世界情報社会サミット(WSIS)」の東京ユビキタス会議の市民社会セクションの準備過程で日本の市民・NGOが集まり、東京ユビキタス会議市民社会準備委員会の会合が行われました

 

  東京ユビキタス会議市民社会準備委員会のメンバーとして東京ユビキタス会議の市民・NGOの主催の市民社会セクションの企画と東京ユビキタス会議のサイドイベントを企画・実施しました。

 

 5月16日・17日の両日、国連世界情報社会サミット(WSIS)東京ユビキタス会議が、東京の京王プラザホテルで開かれた。 

 

 世界情報社会サミットフェーズ2(WSIS)は2005年11月、国連によりチュニジアのチュニスで開催されるが、これに先立ち、日本政府(総務省)、ITU、国連大学の共催によるテーマ別の会合「東京ユビキタス会議 ユビキタスネット社会の実現に向けて」が、世界約80カ国と数多くの国際機関・地域の代表や企業のほか、日本も含めたNGO・市民団体など約500人が参加して行われた。  

 

 最近、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」と評される、簡単にネットワークに接続できる「ユビキタスネット社会」の概念が、各国の政府や産業界で注目を浴びている。ユビキタスネット社会では、あらゆる人や物が結びつき、そこでは、人に優しい心と心の触れ合いが実現し、利用者の視点、利便性が融けこむとともに、個性ある活力が湧き上がる社会が実現されることが期待されている。 

 

 こうした点に関しては、世界情報社会サミット(WSIS)のジュネーブ基本宣言及び行動計画でも、全ての人々が、ユビキタスに手頃な料金でアクセス可能となる情報通信インフラを開発すること等の重要性が強調されている。  会議では、主催者のあいさつと来賓祝辞に続き、オープニングプレゼンテーションで、TRON・T-Engineで有名な坂村健東京大学教授と、MITのメディアラボチェアマンであるニコラス・ネグロポンテ、マサチューセッツ工科大学教授の講演があった。

 講演の中で坂村教授は、ユビキタスネット社会で使われる無線ICタグや、神戸での実験などを例に語りながら、ユビキタスコンピューティングについての具体像を示し、ユビキタスネット社会に対応した社会制度の必要性について強調した。  また、ネグロポンテ教授は、今後の社会のテーマは「こどもと教育」であると主張し、発展途上国に初等・中等教育のための「100ドルのノートパソコン」を普及させるプロジェクトについて語った。  その後のオープニングステートメント、基調講演の後に、2日間テーマ別のセッションが行われた。 

 セッション1の「ユビキタスネット社会を導く技術」(モデレータ 伊藤泰彦 KDDI専務)では、主に産業界により「技術」に関しての討論が行われ、セッション2「人材教育・知識共有」(モデレータ 徳田英幸 慶應義塾大学教授)では、教育の立場から教育や途上国の問題が検討された。 

 そしてセッション3「デジタルディバイドへの取組」(モデレータ 道傳愛子 世界情報社会サミット(WSIS)チュニスフェーズ親善大使・日本放送協会)では、各セクターにより「ユビキタスネット社会ではデジタルデバイドは軽減されるか」について話し合われ、セッション4の「市民社会セッション 人間のニーズによるユビキタスネットワーク」(モデレータ アダムピーク 国際大GLOCOM主幹研究員)では、市民や障がいを抱えた人などの多様な立場から、人間中心の情報社会に関して討議され、 セッション5「ユビキタスネット社会の実現に向けて」(モデレータ 村上輝康 野村総合研究所理事長)では、各セクターによりユビキタスネット社会のあり方について総括的に論議された。 

 

  これらの内容は17日午後のワーキンググループの時間に全体で討議され、東京ユビキタス会議の議長報告として、9月の国連世界情報社会サミット第3回準備委員会会合と11月の国連世界情報社会サミット(フェーズ2)に提案される。

 今回の東京ユビキタス会議では、ジュネーブで開かれた国連世界情報社会サミット・フェーズ1のジュネーブ基本宣言に基づく、市民などの多様な参加者の平等な参加や協働が確認され、また、世界情報社会サミットのフェーズ2(実践段階)のテーマにふさわしく、世界の具体的な実例や問題が提起・論議された。 

 

 特に、市民、NGO(市民社会)から提案されたユビキタスネット社会の実現と設計にあたっては、技術中心ではない「人間中心の情報社会」を目指すことで合意できた。また、日本政府が提起したユビキタスネット社会についても、「情報社会の一つの形としてのユビキタスネット社会」という形で、世界における貧困や障害の問題も含めて情報社会について幅広く論議された。

 同時にユビキタスネット社会の実現にあたっては、「ユビキタスネット社会」自体を目的とするのではなく、情報通信技術や国際的協力によって、多様なニーズや手段の「バランスとハーモニー」をとり、世界が抱える多様な諸問題の解決や、持続可能な社会を目指すことも確認された。

 

 しかしながら、こうした社会の実現に向けての論議や理解には、まだまだ、不足する部分や課題が多く残っているという印象だった。これらについては、また改めて述べてみたい。

 

世界情報社会サミットNGO会議

 5月18日、「世界情報社会サミットNGO会議」が東京都文京区お茶の水女子大学で開かれた。

 同会議は、03年10月にも東京で市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)の呼びかけで開かれた。 

 今回の会議は、JCAFE代表の浜田忠久氏の呼びかけで、自由人権協会(JCLU)、地域情報研究所(ARIAS)等の共催で実現したものだ。5月16、17日に開かれた「世界情報社会サミット東京ユビキタス会議」(World Summit on the Information Society Tokyo Ubiquitous Network Conference)に関連して行われた。 

 「世界情報社会サミット東京ユビキタス会議」では、「ユビキタス」に焦点を絞っていたため、情報社会全体に関する議論ができなかったが、「NGO会議」ではユビキタスに限らず、情報社会のありかたに関する多様で幅広い意見が交換がなされた。  フィリピンのメディア・オルタナティブ財団のアラン・G・アレグレ氏は、世界の情報社会をテーマとしたネットワークの必要性を訴え、世界情報社会サミットへの参加を呼びかけた。  

 JCA-NET理事西邑亨氏は「個人情報流出拡大の問題点と課題」の発表を行い、個人情報流出問題を分析し、日本による途上国への「ユビキタス輸出」に対する懸念を述べた。  「ユビキタス輸出」とは、日本で進められているようなユビキタスネットワークが商品として、また、ODAの一環として海外に「輸出」されること。参加者の中からも、こうしたユビキタス輸出には、セキュリティ、プライパシーの問題はもちろん、輸出先国の社会に与える影響もありうるという指摘があった。

 確かに、日本の「ユビキタス輸出」といわれるような傾向は日本の官庁や産業界の一部にある。しかし、受け入れ先の各国が国策として社会の高度情報化を進めているのも事実である。その仕様もそれぞれ異なっているので「ユビキタス輸出」がうまくいくかは未知のことである。  ただ、ユビキタスネットワークによる社会的影響、セキュリティ、プライパシーの問題が解明されないまま他国に技術移転するようなことは避けなくてはならないだろう。 

 また、言うまでもなく、このことは国内でもまったく同様である。

  「u-Japan戦略」によるユビキタスネット社会の実現は、市民も含めた多様なステークホルダー(利害関係者)の合意を元に行われなくてはならないだろう。 

 

 

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