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スローレポート 『S-Report』 (3/25号)
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2月27日に早稲田大学で「南米演劇の研究会」(主催 早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携拠点)が開かれた。
◆◆◆ 民衆・教育演劇 ◆◆◆
南米演劇研究者の里見実氏と民衆演劇草創期のペルーで劇団ユヤチカニのメンバーだった池田セサル氏により南米で民衆・教育演劇をリードした活動家たちの演劇理論や実践を聞き、考えるものだ。
第1部「社会の中の演劇 サンティアゴ・ガルシアとアウグスト・ボアール」で里見氏はラテンアメリカの演劇の特徴として作品の上演だけでなく作品の創作過程と公演を通しての観衆との関係性もふくめた総体を演劇であると述べた。また、民衆・教育演劇は「演者と観客」という関係から「演者」と「観客」による「集団創作・創造」が重要であると述べた。
そして、「被抑圧者の演劇」のアウグスト・ボアールやサンティアゴ・ガルシアなどの例を説明しながら「俳優」と「非俳優」が織り成す共同作業としての南米の民衆・教育演劇について語った。
第2部「ユヤチカニとペルーの民衆演劇」で池田氏はペルーの植民地時代から独立期に至るまで先住民のインディオの文化を抑圧してきた歴史と文化について語り、その中で民衆演劇がインディオの文化を再発見し、文化の再創造したことを指摘した。
池田氏は、現在在日ラティーノの演劇グループ「セロワチパ」で活動しているが、ペルーで劇団ユヤチカニのメンバーとして、劇場と街頭に跨った活動を展開してきた劇団ユヤチカニがその歴史の中でテーマを政治的な問題から豊かさを求めてのインディオの文化や移住などの民衆の身近な問題をてがけ、現在は「人間」としての問題を取り上げていることを述べた。
第3部「共同討議」では参加者の質疑応答を含めて、南米の社会で演劇がどのような役割や機能を担っているかなどが論議された。
かつて、アリシア・カベスード氏は中南米の歴史と1960年代からの独裁政権下の市民による平和の文化と民主化の教育活動、1980年代からの民主化時代に平和の文化と民主化の教育活動の進展について語ったが、今回の南米の民衆・教育演劇もまったく同じようにCCD・コミュニティの文化による発展の活動がなされている。
民衆・教育演劇はCCD・コミュニティの文化による発展と同じく、単に表現や「演劇」にとどまらず、社会で演劇が参画やコミュティづくりや文化の変革の役割や機能を担っている。
〔講師略歴〕
里見 実 (サトミ ミノル)
1965年から2007年まで國學院大学教員。現在は非常勤講師。専攻は教育社会学など。著書に「ラテンアメリカの新しい伝統」晶文社、「学校を非学校化する」太郎次郎社、「パウロ・フレイレ『被抑圧者の教育学』を読む」太郎次郎社(近日刊)など。訳書に、アウグスト・ボアール「被抑圧者の演劇」晶文社、パルロ・フレイレ「希望の教育学」太郎次郎社、ベル・フックス「とびこえよ、その囲いを」新水社などがある。
セサル 池田 (セサル イケダ) 俳優・会社員
1945年リマ(ペルー)生まれ。大学で建築学を専攻する傍ら、国立演劇学院で舞台美術を学ぶ。出身大学で教鞭をとった後、1993年来日。演劇には17歳から携わり数々の劇団を立ち上げている。劇団セロワチパの創設メンバー。論文に「ラテンアメリカにおけるドンキホーテ」他がある。
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