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スローレポート 『S-Report』 (11/5号)
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鳩山首相は10月26日の所信表明演説で、弱者・少数者の尊重の友愛の政治と人間のための経済を述べました。
◆◆◆ 地域の新しい「絆」と「新しい公共」 ◆◆◆
よく友愛の政治と人間のための経済がわかりにくいと言われますが、この演説では、「先日、訪問させていただいたあるチョーク工場のお話を申し上げます。」と、前にこのレポートで取り上げた「日本でいちばん大切にしたい会社」の話で始まりました。(『S-Report』1/8号 派遣切りと「日本でいちばん大切にしたい会社」)
「障がいを持った方たちも、あるいは高齢者も、難病の患者さんも、人間は、人に評価され、感謝され、必要とされてこそ幸せを感じるということを、この逸話は物語っているのではないでしょうか。」(所信表明)
このことが弱者・少数者の尊重の友愛の政治と人間のための経済の具体例として示されています。
さて、日本の地域の急速な疲弊を指摘しながら「昔を懐かしんでいるだけでは地域社会を再生することはできません。」と述べ、新しい「絆」をつくりたいと考えているという。 その新しい「絆」は古い地域の組織ではなく、市民やNPOなどの「自分たちに身近な問題をまずは自分たちの手で解決してみようという動き」としている。
また、「新しい公共」を人と人が支え合い、役に立ち合うものとして示し、そこにおける政治や行政などの役割について述べた。
「国民生活の現場において、実は政治の役割は、それほど大きくないのかもしれません。政治ができることは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやって市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、21世紀の政治の役割だと私は考えています。」(所信表明)
この演説では、鳩山首相はそれぞれの価値を共有することでつながっていく、地域の新しい「きずな」と「新しい公共」でこれからの友愛の政治と人間のための経済をすすめていきたいと語っている。
そして、この演説では「『変革』という言葉をあえて何度も使い、国民に(政治に)参加してもらいたいという意思を込めた」(毎日.jp クローズアップ2009)という。
首相の所信表明演説は従来の自民党政権・自公政権では各省庁が政策分野ごとにまとめたものを首相官邸と各省庁で修正して創られていたが、今回の所信表明演説の内容についてはいろいろな意見があるだろうが、従来と違って首相が官僚の口移しではなく、自らの言葉で政策を語っている。
今後は、地域の新しい「絆」と「新しい公共」とともに、参加の問題を考えていく必要があるのではないか。
◆10月26日の鳩山首相の所信表明演説(部分)
(地域の「絆」)
ここ十年余り、日本の地域は急速に疲弊しつつあります。経済的な意味での疲弊や格差の拡大だけでなく、これまで日本の社会を支えてきた地域の「絆」が、今やずたずたに切り裂かれつつあるのです。しかし、昔を懐かしんでいるだけでは地域社会を再生することはできません。
かつての「誰もが誰もを知っている」という地縁・血縁型の地域共同体は、もはや失われつつあります。そこで、次に私たちが目指すべきは、単純に昔ながらの共同体に戻るのではない、新しい共同体のあり方です。スポーツや芸術文化活動、子育て、介護などのボランティア活動、環境保護運動、地域防災、そしてインターネットでのつながりなどを活用して、「誰かが誰かを知っている」という信頼の市民ネットワークを編みなおすことです。「あのおじいさんは、一見偏屈そうだけど、ボランティアになると笑顔が素敵なんだ」とか「あのブラジル人は、無口だけど、ホントはやさしくて子どもにサッカー教えるのも上手いんだよ」とかいった、それぞれの価値を共有することでつながっていく、新しい「絆」をつくりたいと考えています。
幸い、現在、全国各地で、子育て、介護、教育、街づくりなど、自分たちに身近な問題をまずは自分たちの手で解決してみようという動きが、市民やNPOなどを中心に広がっています。子育ての不安を抱えて孤独になりがちな親たちを応援するために、地域で親子教室を開催し、本音で話せる「居場所」を提供している方々もいらっしゃいます。また、こうした活動を通じて支えられた親たちの中には、逆に、支援する側として活動に参加し、自らの経験を活かした新たな「出番」を見いだす方々もいらっしゃいます。
(「新しい公共」)
働くこと、生活の糧を得ることは容易なことではありません。しかし、同時に、働くことによって人を支え、人の役に立つことは、人間にとって大きな喜びとなります。
私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念です。「新しい公共」とは、人を支えるという役割を、「官」と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。
国民生活の現場において、実は政治の役割は、それほど大きくないのかもしれません。政治ができることは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやって市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、二十一世紀の政治の役割だと私は考えています。
新たな国づくりは、決して誰かに与えられるものではありません。政治や行政が予算を増やしさえすれば、すべての問題が解決するというものでもありません。国民一人ひとりが「自立と共生」の理念を育み発展させてこそ、社会の「絆」を再生し、人と人との信頼関係を取り戻すことができるのです。
私は、国、地方、そして国民が一体となり、すべての人々が互いの存在をかけがえのないものだと感じあえる日本を実現するために、また、一人ひとりが「居場所と出番」を見いだすことのできる「支え合って生きていく日本」を実現するために、その先頭に立って、全力で取り組んでまいります。
第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明演説 首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200910/26syosin.html
◆◆◆ ご案内 ◆◆◆
さいたま防災ひろば2009
◆日時 11月14日(土)10時~16時/小雨決行
◆会場 武蔵浦和駅前 ラムザビル広場・マーレビル通路
(JR 武蔵浦和駅すぐ)
◆主催 さいたま防災ひろば2009実行委員会
東京ガス埼玉支店
◆後援 さいたま市、テレビ埼玉、埼玉新聞社
◆アクセス JR埼京線・武蔵野線 武蔵浦和駅下車1分
(駐車場の用意はありませんので駅周辺の有料駐車場をご利用ください)
◆「さいたま防災ひろば2009」についてのお問い合わせ
東京ガスお客さまセンター
TEL.048-651-1131.月~金(祝日のぞく)10時~17時
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