2009625

6/25号 地域社会を元気にする市民事業の展開

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

    スローレポート 『S-Report』 (6/25号)

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

  地域社会を元気にする方法としての市民事業、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの試みは増えてきた。また、市民事業としてコミュニティカフェに取り組む例も多い。その運営主体もNPOから会社、NPC・非営利型株式会社(Nonprofit Company)など多様である。また、最近はLLP(有限責任事業組合)、LLC(合同会社)も増えている。

 

◆◆◆      地域社会を元気にする市民事業の展開        ◆◆◆  
 
 6月12日、埼玉地域ファンド研究会が主催する「地域社会を元気にする市民事業の展開」が、さいたま市の浦和コミュニティセンターで開かれた。
 
埼玉地域ファンド研究会(撮影すべて筆者) 同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成されている。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」)に関する検討を進めている。

 今回は、LLC合同会社「家守公室」代表の小松俊昭氏から富山県氷見市でのLLPのコミュニティカフェの取り組みを中心に、多くの事例から地域社会を元気にする市民事業について聞き、参加者で考えるものだった。
 
 小松氏は埼玉県川口市で育ち、日本政策投資銀行入行後は全国の事業支援を行い、アメリカ駐在中は多くの市民事業に触れて帰国、現在は金沢工業大学産学連携室のコーディネーターの傍ら、LLC合同会社の家守公室で地域再生マネージャーとして自ら全国のまちづくりや市民事業の支援をしている。

 
LLC合同会社家守公室代表の小松俊昭氏 小松氏は日本政策投資銀行時代にアメリカのシリコンバレーで起業家たちがコミュニティカフェに集まり、論議し、学び合い、仲間を作ることで起業していく姿をみて、現在はコミュニティカフェの場のつながりによる市民事業創造を行っている。

 氏が支援する市民事業のひとつの氷見市では、シャッター通りにつくられたLLPの「ヤモリカフェ」から始まって、その参加者の学びあいから「まちづくり塾=家守塾」や地域ブランド化による「はと麦」産業が生まれている。

 小松氏は市民事業のポイントは「めだかの学校」のような学び合いと固定的な組織ではない流動的なチームの事業形態にあるという。

 「めだかの学校」のような学び合いとは、「すずめの学校」は先生がムチを振り振り指導するが、「めだかの学校」はみんなが先生であり、生徒であり、みんなで学び考えて、つながりあって戦略を練り、事業を創造していく。また、そういう場としてのコミュニティカフェを運営するということだ。

 
熱心な質問が行われた 固定的な組織ではない流動的なチームの事業形態とは、市民活動ではなく市民事業として事業を行っていくと既成の会社などの固定的な組織形態の模倣になり、市民事業のもつ本来のあり方を失いがちであるが、流動的なチームだと市民事業の特質を生かせるという。LLPの「ヤモリカフェ」も創業期を終えて安定経営期に入り、運営主体がLLP(有限責任事業組合)からLLC(合同会社)の家守公室に移るという。
 
 地域社会を元気にする方法としての市民事業、コミュティビジネス、ソーシャルビジネスの試みの多くは創業期で終わることが多い。
 それは資金の問題や「創業の電池切れ」(創業の情熱や意気込みを失って仕事がルーティンワーク化すること:筆者の造語)の問題であるが、法人の固定的な組織形態に固執するあまり、市民事業本来の市民の力を生かせなくなることも大きい。
 
 そもそも、LLP、LLCはアメリカでシリコンバレーやなどでの情報産業の起業から生まれた事業形態であり、その創造的で流動的なチーム型の事業形態はLLP、LLCのあり方そのものだと筆者も事業の経験から知っている。

 市民事業も「ヤモリカフェ」やそこから発展した事業のように創造的で流動的なチーム型の事業形態とそれにあったあり方を考えなければ、市民事業は「起業は起業で終わるという起業のカベ」(筆者の造語)を超えることは出来ない。


合同会社 家守公室
http://www.llc-yamori.jp


◆◆◆             ご案内              ◆◆◆

  ESD授業デザインプロジェクト公開研究会2009 Vol2 岩手

 環境教育、開発教育、国際理解教育、平和教育、市民教育、福祉教育は、「持続可
能性のための行動と学習」にもとづく持続可能な未来をつくる教育であり、私たち
は、これらの授業実践からESD持続可能な開発のための教育を研究しています。

 今回は、学校の授業にできるだけ的を絞ったESDミーティングを行い、学校が持
続可能な未来に対してどのような考えを持っているのか、各地の授業実践をお聞きし
ながら、意見交換をしたいと思います。そして、持続可能な未来を作る教育のエッセ
ンスを先生だけでなく参加者全員で考えたいと思います。どなたでも参加できますの
で、どうぞおいでください。※参加費無料

 なお、当日は午後1時から「第2回岩手県幼小中高大専ESD円卓会議」が同会場
で開かれ、兵庫教育大学学長の梶田叡一先生の基調講演「『言葉の力』と『生きる
力』」や実践報告もございます。昼食は大学内でとれますので、朝からおいでくださ
り、どうぞご参加ください。学内に駐車場もございます。

日時:2009年7月4日(土) 9時30分~12時
場所:岩手大学総合教育研究棟(教育系;旧教育学部1号館)

内容:

 1)挨拶
  ・岩手大学副学長     玉真之介(ESD「学びの銀河」推進委員会委員長)
  ・ESD学校教育研究会代表 淺川和也(東海学園大学人文学部教授)

 2)話題提供

  ・岩手大学教育学部 准教授 梶原昌五
   「持続可能な未来を作る教育の10年の授業とは」
     国連持続可能な開発のための教育の10年の概要と、その授業とはどんなも
     のになるか。

  ・宮城県気仙沼市立鹿折小学校 教諭 阿部正人
   「授業作りは、つながりづくり」
     気仙沼市の小学校で取り組んだ、「川」「ミミズ」「おむすび」などを素
     材とした授業について紹介します。

  ・北海道教育大学附属旭川中学校 教諭  松田剛史
   「持続可能な社会の構築に向けての学習全体計画の策定」
     新学習指導要領において明記された「持続可能な社会」に向けての中学校
     各教科・領域における学習全体計画づくりについての考え方とその例示に
     ついて提案します。

  ・ESD学校教育研究会 事務局長 長岡素彦
   「持続可能な未来をつくる多様な教育と授業デザイン」
     ESD持続可能な開発のための教育の授業の全国事例、平和教育、市民教
     育、福祉教育などの授業事例紹介します。

 3)フリーディスカッション
  参加者の方々のデータがありましたら、パソコンとプロジェクタで投影いたしま
  す。また、資料の配布は自由です。

■問合せ先:岩手大学教育学部理科教育科 梶原昌五
      〒020-8550 盛岡市上田3丁目18-33 電話:019-621-6556(FAX兼用)
      メール:skaji@iwate-u.ac.jp

■特典:ユネスコ・アジア文化センター作成の「ESD教材活用ガイド」を先着50名
    様に差し上げます。

 

〓〓 SITE 更新情報 〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 

スロータイムス★メールマガジン  
http://www.slowtimes.net/slowtimes-1/

市民メディア  slowtimes.net          
http://slowtimes.net/ こどもと地球の平和的未来をつくる教育 
http://esd.weblogs.jp/

ESD

ソーシャルプロデュースネット       
http://socialproduce.net/


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

スローレポート『S-Report』
●ご意見、ご感想、ご要望をお聞かせください。

●掲載された記事を許可なく使用することはご遠慮ください。
●ご紹介または転載等のご相談は下記までお願いします。
●掲載している情報は各人の責任においてご利用ください。
●この情報レポートが不要の場合はご連絡または、下記でお願いします。
Slowtimes.net http://slowtimes.net
              fq@slowtimes.net

  Slowtimes.netは、誰もが生きやすい生活や仕事のありかた(スローライフ・スローワーク)について考えたい、何かしてみたいというひとに情報を提供する市民メディア、オルタナティブメディアで、ネットワークトジャーナリズムを目指しています。

   Slowtimes.netサイトをリニューアルしました。このサイトは最初はウェブ(HTML)でつくられ、続いてCMS(Xoops)となり、さらに、今回の形となりました。

   今回のSlowtimes.netサイトのリニューアルは、ネットの情報発信がメールマガジンやメールニュースなどの「メールメディア」とブログなどの「ウェブメディア」を融合し、映像や音声を使ったカタチにシフトしていくのに対応したものです。

関連しているもの(リンク)

 

◆メールニュース・メールマガジン

 1999年より発行のメールニュースの週刊「S-Report」は、20年を超えて、メール配信しました。
 現在はこの場所で配信しています。

 

 

◆メディア★カフェ
メディア★カフェはメディアや情報をテーマにしている活動を紹介し、気軽に話し合うカフェです。

 カフェTV、市民メディア・ブレゼン、インフォマーシャル(Infomercial)などを行います。

 

◆フォーラム

 市民メディア全国交流協議会、MELL EXPO (メル・エキスポ)どのメディアのフォーラムに参加しています。

 

サイト・プライバシーポリシー

 当サイトではサイト・プライバシーポリシー・サイト参加規約などを定めています。

 

検索

 

   (c) Slowtimes.net

2009.2006.2004.1999 All rights reserved

(関係サイト)