20140820

 

 

 

ESD実践モデル全国会議2014

 

「ESD地球市民村」

 

  「国連ESDの10年」最終年事業として市民イニシィアティブによる複合プロジェクト「ESD地球市民村」は、「実践的なESDを推進・支援する多様な主体が集い、〈会議〉〈ワークショップ〉〈情報展示〉〈体験プログラム〉が複合化した、 参加体験学習スタイルの事業」である。

 

 1)8月20日開催:「ESD実践モデル全国会議2014」

 2)8月21日開・22日開催:「ESDの10年・地球市民会議2014」

 3)ラーニングプログラムと情報展示

 

 

 8月20日、ESD実践モデル全国会議2014(主催 「ESDの10年・世界の祭典」推進フォーラム、共催 認定NPO法人「持続可能な開発のための教育10年」推進会議(ESD-J)、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、他)が 国連大学で開かれた。

 

 昨年までのESDテーマ会議の成果の「5つのESD重要テーマを切り口に、それぞれの事例からESDの効果・成果や課題を探り、日本型ESDをもっと広めていくためのワークショップです。日本中からESD実践者が大集結し、5テーマ横断でESDの普及発展のために必要なものは何かを討議しアウトプットします。」

 

 

 開会の辞の後、ESDの総括と展望が行われた。

 まず、ESDの状況の変化、ESDのジャパンモデル、ESDの発展のためのプラットフォームの3点から持続可能な開発と教育の課題を論議した。

 次に、「防災教育と気候変動教育」、「生物多様性とESD」、「持続可能な生産と消費」、「歴史文化遺産と人材育成」、「貧困撲滅と社会的公正のための教育」の5つのテーマについてのいままでの成果と今回の課題の説明が行われた。

 

 

「防災教育と気候変動教育」では、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られた。

 特定非営利活動法人SEEDS Asiaの中川裕子事務局長はアジアと国内(気仙沼など)での取り組み、西条市教育委員会の永井克征指導部長は過去の災害から生まれた「12歳教育」、気仙沼市教育員会の白幡勝美教育長は気仙沼市の小中学校と地域の取り組み、認定NPO法人気候ネットワーク豊田陽介主任研究員はこどもエコチャレンジ、、一般社団法人地球温暖化防止全国ネットの企画調査グループ井原妙氏は地球温暖化防止教育について述べた。

 

 

「生物多様性とESD」では、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られた。

 旭川源流大学実行委員会の吉鷹一郎事務局長は各地の源流地域と都市部の市民・中高生・大学生の交流学習会などの取り組み、特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング代表の岸由二慶應大学名誉教授は地球生命圏と流域、株式会社損害保険ジャパンの金井圭担当課長は同社の取り組み、中部大学RCE中部事務局長の古澤礼太国際ESDセンター准教授は伊勢 ー-三河湾流域ネッ トワーク、東京海洋大学江戸前ESD協議会の河野博東京海洋大学教授の江戸前ESDの取り組みについて述べた。

 

 

 「持続可能な生産と消費」では、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られた。 

 株式会社伊藤園常務執行役員の笹谷 秀光CSR推進部長は調達-製造-販売までのCSRとESD、ユニーグループ・ホールディングス株式会社グループ環境社会貢献部の百瀬則子執行役員は調達-販売-開発までのCSRとESD、電源開発株式会社(J-POWER)秘書広報部広報室の藤木勇光業務推進役は「エネルギー大臣になろう」カードゲームとESD、東京ガス株式会社の広報部学校教育情報センター庄司武所長は「東京ガスのエネルギー環境教育」とESD、株式会社日本政策投資銀行の竹ケ原啓介環境・CSR部長は投資の問題、サステナビリティ消費者会議の古谷由紀子代表は消費や消費者教育について述べた。

 

 

「歴史文化遺産と人材育成」では、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られた。

 奈良教育大学の加藤久雄副学長は歴史文化遺産教育にわよる観光と地域の人材育成、江東区立八名川小学校手島利夫校長は同校の江戸・八名川の歴史学習、島根県大田市教育委員会大國晴雄教育長は石見銀山の世界遺産学習から校区の遺産学習、矢掛町立矢掛中学校の室貴由輝主幹教諭はやかげ学、大牟田市教育委員会安田昌則教育長による近代歴史遺産教育について述べた。

 

 

「貧困撲滅と社会的公正のための教育」では、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られた。

公益財団法人オイスカ四国研修センターの萬代保男所長はオイスカの活動、(特活)アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)事務局長の鈴木真里理事は海外での医療・保健衛生、農業の取り組み、NPO法人岩手子ども環境研究所(森と風のがっこう)の吉成信夫理事長はこどもに関する取り組み、AIDS文化フォーラムin横浜山田雅子運営委員はエイズの取り組み、平和教育地球キャンペーン淺川和也事務局長は平和教育の取り組み(付記)について述べた。

 

 

 全体総括セッションではそれぞれテーマを集約して論議した。

 

 

 

 最後に今までの内容をまとめたアーカイブの電子出版を行うことを述べた。

 

 

付記

 

「貧困撲滅と社会的公正のための教育」

 

「非核・非暴力を通じた平和社会の構築」 平和教育地球キャンペーン淺川和也事務局長

 

ESD(持続可能な開発のための教育)はあらゆる教育をふくむものである。持続可能な開発により、あらゆる人びとが平和に暮らすことができるようになる。その基盤として、平和が不可欠であり、平和のための教育が必要となる。教育は平和な社会を目指すためのものといえるが、国家は戦争にそなえるよう教育をしてきた歴史がある。しかし、日本では、戦後、二度と惨禍をくりかえさないために、平和憲法による平和主義を貫いてきた。

 平和教育というというどういうイメージを持つだろうか。日本では戦争の悲惨さについて、地域での戦争体験やヒロシマ、ナガサキ、沖縄のことを教えるのが主であった。このような「何々についての」教育をこえて「のための」教育への転換がなされる必要がある。教育は教師から授業を「授かる」ものではなく、探求し、伝え、ともによりよい社会をつくっていくためのもので、なければならない。現在、世界では紛争が相次ぎ、また身のまわりにおいても貧困や虐待、いじめなどがおこっている。平和教育の根幹は戦争をなくすことにあるが、暴力の根絶を目指すことにある。民族対立、偏見、憎悪、いじめ、虐待なども包括する。

 平和について問うと、皆が笑顔でいること、仲良くすることなどの答えが返ってくる。人権教育でもそうだが、社会的不公正にたいして、社会的制度をつくり、人びとの人権(可能性)をどう保障するかということが、より重要だと思われる。そのためには不断の努力がいる。温泉につかったスノーモンキーは愛らしいが、それが極楽かのように愛でるのは、平和社会の構築にはつながらない。諸宗教では、幸せは、より困難に直面し、それを乗り越えた時にやってくるというように説かれる。

 平和教育地球キャンペーンは世界の平和教育の動きと日本の実践研究をつなげる活動をしている。1999年にオランダのハーグで、市民による平和のための会議がひらかれた。戦争・紛争をなくすには教育が重要とのことから、平和な世界の実現のために包括的な平和教育をすすめる提案がなされ、平和教育地球キャンペーンがはじめられた。日本での平和教育は、教職員組合と文部省の対立のもと不幸な歴史がある。また、現在では、新自由主義主義による攻撃も顕著であるが、平和でなければ、発展もあり得ないというのは普遍的である。ESDの推進のために、環境・開発・人権・平和のあらゆる分野が包括的に統合され、すすめられるという理念は画期的であり、平和教育を推進するための根拠ともなる。

 日本には、平和教育の実践・研究のさまざまな成果がある。戦後、日本では、二度と戦禍を繰り返さない、「教え子を再び戦場に送らない」という理念のもと、学校教育や社会教育でなされてきた。ヒロシマ・ナガサキ、沖縄でのことがとりあげられるのが定番になっている。被爆や戦争体験をつづった文学作品から教材化されたものも数多く教科書に所収されている。広島や長崎への修学旅行のとりくみでは、教科を横断した事前事後学習がなされてきた。社会教育では、公民館での憲法学習もさかんになされた。原水爆禁止運動は市民による学習の成果から大きくなったともいえる。NPT(核兵器不拡散条約)関連諸会議へも、おおくの市民団体からの参加がある。

 しかし、平和教育は教職員組合によってなされたので、文部省は平和教育ではなく国際理解教育という言葉を使ってきており、現場では平和教育の実践がやりにくくなっているのが実状である。

 平和へのNGOの役割は大きいにもかかわらず、安全保障は国家に委ねられており、ざんねんながら市民の関与があまりなされていない。それに対して、アナン元事務総長の要請による市民による「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ」の動きがあり、平和教育地球キャンペーンもその活動と呼応している。

 平和教育として、対立や争い、紛争を具体的にどう解決するか、宗教間対話や分断された地域の再構築、民主主義のための教育などが取り組まれていて、米国やケニア、イスラエル、ソウル, クリミアなどでの会議では、平和教育さまざまなあり方を交流してきている。東アジアでは、これまでソウル, ヒロシマ, ソウルとNARPI(東北アジア地域平和構築インスティテュート)が実施されている。

 コロンビア大学平和教育センターにおられたベティ・リアドンは「包括的平和教育」という概念を打ち出し、エコロジーとジェンダーが根幹であるとも述べている。持続可能な社会への発展は、平和による基盤がなければなしえない。2000年は国連による平和の文化国際年とされ、その後、世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年が展開された。ユネスコには平和の文化局がおかれ、「わたしの平和宣言」署名が世界中でとりくまれました。同時期、軍縮・不拡散教育についての研究が国連事務総長によって要請され、2002年に総会で報告された。その後、軍縮教育について2年に一度、各国から報告することがなされている。現在、国連では、平和への権利宣言を法典化する動きがある。スペインほかのNGOが熱心だが、日本国政府は平和への権利の中身が不明確として賛成をしていない。

 これまでの日本での平和教育の成果を世界に届けること、また、海外での平和教育と日本で平和教育を推進する担い手がつながることの必要性を感じている。ベティ・リアドンらによってはじめられたIIPE(国際平和研究集会)は25年を経過し、継続されてきている。年に一度の限られた場ではなく、地域でのあらたな平和教育のつながりをつくることができたらよいとのことから、日本で行われたIIPEを契機に東京、京都、広島、札幌などで地域の集まりを持ってきている。学校教育関係者の参加のみならず、留学生、途上国支援をしている方々など、ひろがりができている。

 歴史をめぐる保守主義の台頭、憲法改正への動き、沖縄の基地問題、原発や若者をとりまく貧困問題も生活をおびやかしていることは看過できない。弱い立場の人びととの連帯が可能となるよう平和教育の再構築に尽力したい。

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