20130808

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 スローレポート 『S−Report』 (8/8号)
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◆◆◆  東北から、100年後の日本を考える ◆◆◆
       防潮堤を再考するシンポジウム 

 

 6月23日、東京大学駒場キャンパスで「東北から、100年後の日本を考える:防潮堤を再考するシンポジウム」(主催「東北から日本の未来を考える会」共催 特定非営利活動法人「人間の安全保障」フォーラム、防潮堤を勉強する会)が開催された。

 


ここからも読めます。http://www.slowtimes.net/2013/06/23/201306233/
      「甚大地震と大津波は、多くの犠牲者を出しました。ふるさとの暮らしの再建のために、多くの方々が、身を粉にして仕事をしています。とりわけ、同じ土地に暮らし、同じように被災した各地域の自治体の職員の方々の仕事に支えられて、わたしたちは立ち上がろうとしています。(中略) 100年後、200年後の津波や地震にも対応できる持続可能なまち、もしかすると1000年後を見通したまちづくり。「防潮堤」が有効な場所もあるでしょう。景観重視=自然重視で観光をすすめるまちづくりをしたほうがいい場所もあれば、漁業に向いた海岸づくりをするのがいい漁港もあるでしょう。国立公園の連なりを、グリーンベルトにするという考え方もあります。 被災3県のみならず、今後、日本列島全域の災害対応の課題とされている巨大防潮堤について議論します。ぜひご参加ください。」 (趣旨 全文は文末に掲載)

  特定非営利活動法人「人間の安全保障」フォーラムの丸山真人氏 (東京大学大学院総合文化研究科教授)は、この問題は日本全体問題であるが、何がどこで、どのようなことが行われているか、知らないひとも多い、現地でもよくわかっていないと述べた。「東北から日本の未来を考える会」の共同代表の山内明美氏( 大正大学特命准教授)が趣旨説明を行った。   現在の防災対策は多重防御と減災で進められており、レベル1 、レベル2に対応する方式も住民の理解が得られず、住民主体の復興ではない。 また、奥尻島防災復興での生業衰退の教訓が生かされないまま進められているが、「命も守る 生業も守る 多様性も景観も保全する わたしたちのまちづくり」が必要と述べた。
 まず、気仙沼市大谷地区の三浦友之氏から気仙沼市大谷地区の報告があった。 住民として防潮堤に反対するのではなく「防潮堤を勉強する会」を立ち上げ、防潮堤を勉強する会でも学習、検討して、要望書を出した。 また、大谷地区のすべての振興会(自治会)で復興計画でつくり、そして、連合会で内容をすりあわせし、市に提出した。 しかし、それらと関係なく計画は進んで行くのは問題である。 同氏がまちでは、「何がどうなってるか、防潮堤もイメージできない」という声も多く、工事現場のおじさんから「こんなのつくっていいのかな?」、若いおにいちゃんから「住民説明会行けばよかった」などの言葉も聞かれるという。
 次に、大槌町長の碇川豊氏より町の復興計画、緑の防潮堤の報告があった。  大槌町長から大槌町の震災、復興について報告の後、国の計画によると大槌の町方の堤防計画高は14.5mであり、これでは、「ビル五階の高さに囲まれては、牢獄の中に暮らすようだ」と言う。 大槌の町の人の目から海みえる美しい町を合い言葉に、復興計画、緑の防潮堤を計画している。 しかし、復興の課題としては「法律の壁であり、法律は、誰のためにあるのか?」と思うと述べた。  丸山氏は、このことは人の課題、人間の安全保障の問題であり、防潮堤をつくることが経済に寄与するという成長戦略は震災以前の開発計画であると言う。  慶應義塾大学教授の小熊英二氏は、日本では意思決定は住民を信用しない上意下達であり、公共事業は上から自治体に金がふってくるシステムである。 防災事業、高台移転、防潮堤公共事業を仮に昔の道普請、茅葺きのような住民事業として行い、住民の自己決定で起業も含めて行うという考えもあると述べた。  東北から日本の未来を考える会の共同代表の高橋博之氏(元岩手県議)は、自分の命を行政やハードにたよりすぎ、私たちが自分で安全では考えないのも問題で「震災前」が問われているという。 「震災前」からの政治参加、地域参加がなく、選択肢がない状態を選択肢をつくる必要があると述べた。 また、岩手の話でいえば、多くの社会資本の耐用年数が切れている上に、県、住民負担で防潮堤や防災ハードを維持できないことを誰も指摘していいない。 この解決のためには社会的起業などで新しい生業をつくることが必要で、このことも含めて「東北開墾」というプロジェクトを始めた。  会場からは、防潮堤で安全か、海域と陸域を「沿岸域」ととらえて総合的に管理する先例として志摩市の「里海創生基本計画」、防潮堤の経済的合理性が長期的、短期的にも疑問があること、防災・減災・免災と合意のあり方などの意見が出された。 「多重防御」という津波対策は、レベル1の大津波に対しては従来規模の防潮堤工事を行い、それを超えるレベル2の巨大津波に対して高台移転、嵩上げを行うものだが、参加者からも技術的疑問が投げかけられていた。  東北から、100年後の日本を考える:防潮堤を再考するシンポジウム(趣旨)    甚大地震と大津波は、多くの犠牲者を出しました。ふるさとの暮らしの再建のために、多くの方々が、身を粉にして仕事をしています。とりわけ、同じ土地に暮 らし、同じように被災した各地域の自治体の職員の方々の仕事に支えられて、わたしたちは立ち上がろうとしています。2011年3月11日以後、被災地で暮してきたわたしたちは、もうひとつの社会へむけて歩み出す必要性を感じています。この災害は、途方もない破壊と分断 を生み出しています。ひとの生命や財産を守るということがどういうことなのか、根底から問われているように思います。三陸沿岸の人々の暮らしが海からの恵 みと脅威の狭間で成立してきたことを、今一度考えたいと思います。一方、「命を守る」という責任を行政が負わなければならないという、重圧の中から、巨大防潮堤の発想も出て来ざるを得ませんでした。国民の「命を守る」という大きな責務を、行政だけに負わせるのではなく、地域の誰もが分散して分かち合わなければなりません。各自治体による当初の復興計画では、災害後2年目には、災害復旧事業全体の約6割程度は着手する見込みでした。しかし、今年4月の時点でまだ3割程度であ ることが報道されました。人材不足や資材高騰のほか、ボトルネックのひとつにあげられるのが、三陸沿岸部全長400キロメートルに及ぶ巨大防潮堤の建設計 画です。巨大防潮堤については、沿岸部に住まう漁師たちからの異論の声も少なくありません。その湾の地形によっては建設の必要な場所もあるでしょう。しかし、これ ほど巨大なコンクリートの建造物の連なりを、国立公園や国定公園の広がるリアス式海岸につくることへの抵抗は根強いものがあります。津波被害を想定した巨 大防潮堤計画は、三陸沿岸のみならず、今後日本列島の広範囲に及んで取り付けられる見込みです。100年後、200年後の津波や地震にも対応できる持続可能なまち、もしかすると1000年後を見通したまちづくり。「防潮堤」が有効な場所もあるでしょう。景観重視=自然重視で観光をすすめるまちづくりをしたほうがいい場所もあれば、漁業に向いた海岸づくりをするのがいい漁港もあるでしょう。国立公園の 連なりを、グリーンベルトにするという考え方もあります。被災3県のみならず、今後、日本列島全域の災害対応の課題とされている巨大防潮堤について議論します。ぜひご参加ください。


◆◆◆             ご案内              ◆◆◆
第31回「開発教育全国研究集会 in 富山」
 http://www.dear.or.jp/zenken2013/  
2013年8月17日(土)-18日(日)@富山高専本郷キャンパス
「人々がともに生きることのできる公正な社会」の実現をめざす開発教育。今年の全研は「北陸から発信する人づくり」をテーマに富山で開催します。富山といえば薬。その昔、富山の薬売りは漢方薬を全国の家庭に届けると共に、地域をつなぐ役割も担っていました。「漢方薬」は、和薬や漢薬など複数の生薬から構成された薬で、人が本来もっている力を引き出しながら、じわじわと効く薬です。富山は住みやすさ日本一、福井は幸福度日本一、そして石川は農業遺産など豊かな自然と歴史ある文化が誇りです。そんな北陸の地で、未来を拓く人づくりに効く“漢方薬”をつくり、それぞれのフィールドに処方しましょう。開発教育、ESD、市民教育、国際理解教育などに関心のある方、学生さん、実践者の方の参加をお待ちしています。

★実践・研究報告を行います。
実践・研究報告 2013年8月17日(土) 15:10~16:40
3.ESDと復興~震災体験をいかした未来をつくる教育・ESD発表者:長岡素彦(ESD学校教育研究会)
 震災体験をいかした未来をつくる教育・ESDについて、こども・若者の震災体験に関する調査や震災支援の過程で得た知見にもとづき論じる。今まで、震災によって生じた社会のあり方や生き方の問直し、自然・災害、科学技術・原子力に関する問題に対して、実際の支援を行いながら「東日本大震災以降の教育・ ESDのあり方」を検討し、 持続可能な地域をつくる ESDコーディネーターの必要性などの考察を行い、学会や全研で発表してきた。これらをもとに、昨年の調査や仙台、盛岡、大槌町、山田町などで行った「ESDと復興」での教員、児童・生徒、父兄、学校関係者などとの論議の成果を踏まえて、震災体験をいかした教育・ESDを発表する。また、その具体例として気仙沼市の小中学校で行われているESD・防災復興教育の意義を語り、自ら各地で行っているESD教材「持続可能な未来」実践などを具体的に説明し、他の実践者・研究者と論議を深めたい。
▼日時2013年8月17日(土) 10:00~18:10(9:30受付開始/18:30~自由参加の懇親会)2013年8月18日(日) 10:00~16:00(9:30受付開始) ▼会場富山高等専門学校本郷キャンパス(富山県富山市本郷町13番地)http://www.nc-toyama.ac.jp/campus/hongo01.html▼参加費2日参加 6,000円(DEAR会員・学生は5,000円)1日参加 3,000円(DEAR会員・学生は2,500円) ※フィールドスタディ参加者は、別途500~1,000円が追加でかかります。※希望者には幕の内弁当を用意します(600円/要事前申込)。
▼対象教員、学生(教員志望の方には特におすすめ)、NPO/NGO関係者、青少年団体、国際協力・交流関係者のほか、テーマに関心のある方ならどなたでも。
▼1日目(17日)のプログラム9:30- 受付開始10:00-10:15 開会式・オリエンテーション10:15-11:45 基調講演 「デンマークの教育とPBL(Problem-Based Learning)」 講師:Anette Kolmosさん(デンマーク・オルボー大学)
13:00-14:45 ワークショップ体験(5プログラム)  A. 開発教育入門講座(DEAR入門講座タスクチーム) B. 世界がもし100人の村だったら(竹内美幾・根石修/いーち) C. 地球の食卓(山本康夫/FGねっと) D. エネルギー・ワークショップ(八木亜紀子/DEAR) E. ファシリテーションのコツ講座(定村誠/TIE)15:00-18:10 実践・研究報告(2コマ)&自主ラウンドテーブル(15コマ) 実践・研究報告(40分×2ラウンド) 1.学校現場における国際理解教育実践録 2.ブログを活用した日米交流による平和学習 3.ESDと復興~震災体験をいかした未来をつくる教育・ESD 4.留学生との交流会を実施して 自主ラウンドテーブル(90分×2ラウンド) 1.ちがいに気づくダイバーシティ野外キャンプ体験 2.在日朝鮮・韓国人と共に生きるために互いに理解を深める学習会 3.教育と貧困 4.「現役高校生と一緒に考えた『新・わたしん家の食事から』カードゲーム版 5.駆け抜けた男~孫基禎さんの生涯とその後の我々との交流 6.地域防災力向上のための新たな避難行動ワークショップ 7.先住民族・アイヌと開発教育 8.沙漠化の最前線で明日の技術を考える~富山高専・中国内モンゴルESD研修 9.メコン河のダム開発から考える「開発」 10.大学生が見て感じたベトナム・カンボジア体験報告
18:30-20:30 交流会(参加費別途2,000円) 

▼2日目(18日)のプログラム
9:30- 受付開始 10:00-14:45 課題別分科会(3コマ)+フィールドスタディ(2つ) 第1分科会 開発教育/ESDへのPBLの可能性 第2分科会 「本物」を扱う子ども主体の授業づくり 第3分科会 開発教育の今後 フィールドスタディ1 持続可能な暮らし・農・エネルギー フィールドスタディ2 呉羽丘陵の里山を活用した人づくり、ふるさとづくり
15:00-16:00 全体会+閉会式
▼共催特定非営利活動法人 開発教育協会/DEAR第31回開発教育全国研究集会実行委員会▼協力とやま国際理解教育研究会(TIE)いしかわ地球市民の会(いーち)ふくいグローバルねっとわーく(FGねっと)▼助成一般財団法人 日本国際協力システム▼後援外務省、文部科学省、環境省、(財)自治体国際化協会、(独)国際協力機構、(特活)国際協力NGOセンター、富山県、(公財)富山県ひとづくり財団、富山市、富山市教育委員会、とやま国際センター、ユネスコ協会富山支部、他※一部申請中のものも含む
▼参加申込み・お問い合わせ先:特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41富坂キリスト教センター2号館3階 TEL 03-5844-3630 FAX 03-3818-5940(平日10:00~18:00)http://www.dear.or.jp/zenken2013/http://www.facebook.com/ngoDEAR※各プログラムは定員に達し次第締切ります。▼開発教育協会/DEARとは?南北格差・環境・紛争・貧困など、地球上で起こっている諸問題はわたしたちの生活と無関係ではありません。開発教育とは「知り・考え・行動する」という視点でその解決に取り組んでいくための市民による教育活動です。開発教育協会は国際協力NGOや国連関係団体、地域の市民団体など約50の民間団体と教員など約700名の個人で構成される教育NGOです。1982年に発足して以来、開発教育と呼ばれる国際理解や国際協力をテーマとした教材の発行(約30点)や、講師派遣(年間150回)、参加型学習の普及推進を行なっています。教材『ワークショップ版世界がもし100人の村だったら』で国際人権教材アワード受賞(2004年)。
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