201305231

原発事故対策の除外検討 国連の新防災行動計画

【ジュネーブ共同】

 

2015年に仙台市で開かれる国連防災世界会議で採択する見通しの新たな行動計画で、地震や津波による原発事故を想定した対策についての項目の除外が検討されていることが21日分かった。国連関係者が明らかにした。

 新計画策定に関わる日本政府当局者は「議論はこれからだが、人的起因の災害と自然災害は別の枠組みで議論すべきだ」としている。

 これに対し、非政府組織(NGO)は「反原発議論に利用される懸念から意図的に外そうとしている」と非難している。

 東日本大震災の被災地で開かれる国際的な防災会議で、大震災がもたらした東京電力福島第1原発事故の教訓が生かされないことになり、被災者から批判が出そうだ。

 国連の防災行動計画は自然災害による被害の防止、軽減を目指す国際協力の指針。新計画は、05年に神戸市での前回の国連防災世界会議で採択された15年までの「兵庫行動枠組」を引き継ぐもの。ジュネーブに事務局がある国連の国際防災戦略(ISDR)と日本政府が中心となり12年3月に策定の協議が始まった。

 ジュネーブでは21日から、新計画を話し合う「防災グローバル・プラットフォーム会合」を開催。NGO幹部は「ジュネーブでの会合で原発事故対策を議論しなければ、仙台の会議でも原発事故から目を背けることになる」と述べ、危機感を表明している。

 

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