全小中学生にタブレット端末配布へ 全国初 佐賀県武雄市 / 西日本新聞
佐賀県武雄市は9日、市内の全小中学生約4千人に来年度、タブレット端末を配布すると発表した。武雄市教委によると、全児童生徒への配布は全国初。有識者や校長などでつくる市ICT(情報通信技術)教育推進協議会の答申を受けた決定で、協議会座長の松原聡・東洋大教授(経済政策)は海外の導入事例を挙げ「日本が遅れているといういら立ちがあった。武雄市が先鞭(せんべん)をつければ、国の教育を動かすことにもなる」と期待を込めた。
武雄市は、2011年3月から小学校2校の4~6年生にタブレット端末を配布して授業に活用している。導入前後の成績を比較して、算数の学力が著しく向上したクラスもあったという。松原教授は「タブレットの導入で成績が上がり、子どもたちの創意工夫、議論する力が高まるという研究実績もある。トータルの力は必ず上がると確信している」と話した。
協議会は9日、市内の全ての小中学校長が希望したことも踏まえ、7~10インチの端末を小中学生全員に配るのが望ましいと答申。その後の記者会見で樋渡啓祐市長は「全校長が希望したことが大きなきっかけだが、障害がある子どものためにも必要と判断した」と話した。端末の購入や無線LANの整備などに3億~4億円掛かるとし「国の補助金などを活用したい」とも述べた。今後、機種やアプリ(応用ソフト)を選定する。
=2013/05/09付 西日本新聞夕刊=