室井佑月氏が「ほんと虫酸が走る」と思った相手
〈週刊朝日〉dot. 2月27日(水)11時38分配信 福島県は2月13日、東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった3人が甲状腺がんと診断され、7人に疑いがあると発表した。しかし福島県の県民健康管理調査検討委員会は、原発事故との因果関係はないとした。
作家の室井佑月氏はこのことについて次のように話す。
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3万8千人の子供たちの中から、甲状腺がんの子が3人、疑いのある子が7人ってどうなのか。だって、通常では子供に甲状腺がんが見つかる可能性は100万人に1人か2人なんだという。
しかし、このことに対し、福島県の県民健康管理調査検討委員会の方々は、こんな風にいっている。福島県立医大の鈴木真一教授は、「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」。つまり、福島第一原発事故による放射線の影響じゃないんじゃない、ってことをいいたいんだ。
検討委の山下俊一座長は、「数だけ見ると心配するかもしれない。しかし20代、30代で見つかる可能性があったものが、かなり前倒しで見つかった」とまでいいきった。
通常より、子供たちに甲状腺の異常が多かったことを指摘されると、「(比較する)前例がない」だってさ。
あたしはさ、この人たちのこの問題に対する対応に、ほんと虫酸が走る。福島第一原発が事故を起こした。そして、人体に悪影響を及ぼす放射能が漏れた。原発周辺に住む人々は、事故後に国から適切な情報を貰えず、大なり小なり被曝した。
その事実は決して変えられないことだ。変えられないことだけに、反省し、被曝した可能性がある人たちの側に立って、これから物事を考えていかなきゃいけないと思う。
※週刊朝日 2013年3月8日号