20120722

 

 

 

 

iSPP 国際会議

 

「震災復興とICTの役割」

 

 7月22日にiSPP 国際会議「震災復興とICTの役割」が仙台国際センターで開催された。

 iSPP情報支援プロボノ・プラットフォームとは、弁護士など各分野の専門家が、自分の持つスキルや経験を活かして社会貢献するプロボノの方法でICT情報通信技術の専門家としての個人・組織・企業が震災・復興に対して専門支援することを目的とした組織である。
 iSPPはすでに震災初期から災害情報インフラや情報の復旧・支援を先行して行っており、組織を整えて昨年5月24日に設立され、直接的な支援以外に、「東日本大震災情報行動調査」やヤフーの避難所ほしいものリストなどの多数のプロジェクトを行ってきた。

 

iSPPのUST配信チャンネル
http://www.ustream.tv/channel/ispp-main

7/22(日)iSPP国際会議<震災復興とICTの役割> 資料
http://www.ispp.jp/201207conf-doc

 

 

 iSPP国際会議は黙祷から始まった。


 開会挨拶の後、 第一部「自治体および地域住民からの報告」が行われた。

 

 「被災者の視点、支援者・開発者の視点」として仙台市情報政策部長の今井建彦氏は、仙台市の情報システムの震災対応を数多く政府などでも述べているが、今回は被災者の視点で語った。

 

 まず、被災地の状況がデータだけでは表わせないことを、災害伝言ダイアルなどの実例で述べた。
 次に、被災地に住むものに見えているものと会部観察者から見えているもののズレを、流されてしまった後しか地域を見てない、歴史文化をしらない外部の見方には違和感を覚える。
 そして、今回の様な広域の被害の場合に被災地、被災者の多様な、多面的な検討が必要である。

 

 このような状況に対して今までのシステムや対応は役立ったとは言えないし、支援も充分ではないので、被災者、被災自治体の視点からのシステムが必要と述べた。

 

「A Ballooned Wireless Mesh Network for Disaster Response」として岩手県立大学教授の柴田義孝氏が震災支援と気球を使った通信ネットワークについて述べた。

 

 Wireless Mesh Networkとは、発信機能を持ったものが相互にデータを送り合う網の目(mesh)のように形成された通信ネットワークである。
 現在のICT情報通信システムは、普通は基地局といわれるポイントからデータを送る集中的データシステムであるが、今回の震災ではこの基地局が機能せず、携帯電話も含めて使えない状態が起こった。

 

 柴田研究室では、今まで研究をいかしていち早く被災地での通信復旧にあたると同時に、Wireless Mesh Networkの発信機能をもった気球で基地局が消失しても非常時に通信を確保する方式 A Ballooned Wireless Mesh Networkを研究・実験している。

 

 今後、この震災支援の経験と研究をすすめていかしたいという。

 

 
「Garnet Miyagi」として」ネットみやぎ代表の澁谷直美氏は避難所のボランティアや支援を行いながら、メンバーを募りガーネットみやぎを立ち上げ、復興支援を行っている。
 しかし、復興は進まず、希望が見えない中、女性も含めてアルコール依存などが広がっていて、このような中、被災者の生活のための自立支援を行っている。

 

 

 午後は、第二部「復旧・復興のためのICT」が行われた。

 

 「笑顔カレンダー」としてJACk iN ∞sMiLEの吉川一利氏が被災しながら学生ボランティア、「笑顔カレンダー」を作成した経緯などを語った。

 県外からボランティアにくる多くの人達の笑顔に励まされ、私自身笑顔になる事ができたという吉川氏は、「そんな私の実体験のもとアイデアを練って行動に移し見た人、全て笑顔になってほしい、そんな366人の想いのこもった笑顔カレンダー」を作成している。

 そして、今、起業して「笑顔カレンダー」を事業化し、ICTも使って仕事をつくることを企画している。

 

 「“Netvol-­‐MIYAGI” helps with networking for the tsunami afflicted area」としてネトボラ宮城の佐藤大氏が発災からのネットを使った支援について語った。

 被災地での情報収集・発信がスムーズに行えるよう、現地のインターネット環境整備をお手伝いするのが目的のネトボラ宮城では、ソーシャルネットワークでの情報支援、避難所や各種拠点に情報整備などを行ってきた。

 今後は、経済復興支援、生活支援のためにICTを活用していきたとのこと。

 

 

「宮城から拡がるIT コミュニティの復興支援への道」としてみやぎモバイルビジネス研究会の会長原亮氏が、宮城のIT コミュニティの活動報告を行った。


 仙台宮城や東北のビジネス活性化への機会創出のためにみやぎモバイルビジネス研究会(MiMoS)を立ち上げたが、震災を受けて「Fandroid EAST JAPAN」、「Hack for MIYAGI」などのプロジェクトと、塩竃の水産業のためにICTを使う「うらと海の子再生プロジェクト」、石巻のISHINOMAKI2.0「イトナブ」プロジェクト、東北スマートアグリカルチャー研究会(T-SAL)などを行っている。

 

 みやぎモバイルビジネス研究会が目指す地域×ICT のイメージとして、草の根の地域間連携、産業間連携で社会をつくる、東北×岐阜×北海道で走り出す「マイランド向上計画」などを語った。

 

 

第三部「ワークショップ」では、全員参加で「復興にICTをどう活用できるか」を検討した。

 


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