第48回埼玉地域ファンド研究会
NPOのお金の困りゴトを知る
──NPO等実態調査から
5月16日、埼玉地域ファンド研究会の第48回「NPOのお金の困りゴトを知る──NPO等実態調査から」がさいまた市の浦和コミュニティセンターで開かれた。
同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成する。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility
「企業の社会的責任」)に関する検討を進めている。
「NPOはお金がない」ってよく聴くけど、それってホント?
埼玉県は昨年度「NPO等実態調査」を行ない、団体の抱えている課題や寄附の状況などを調査。さいたまNPOセンターはヒアリング調査と全体のまとめを担当しました。
協働への期待や本当に必要な助成金の在り方など、調査結果から見えてきたNPOの資金調達やNPOの事情について、みんなで知り、みんなで考えます。
「NPO等実態調査」を行った 「彩の国NPO・大学ネットワーク」 の埼玉県NPO等実態調査チームNPO法人さいたまNPOセンター事務局次長の生越康治氏が調査からみえてきたことについて述べた。
この調査は「埼玉県 NPO活動推進課(同ネットワーク事務局)、埼玉大学社会調査研究センター(同ネットワーク幹事団体)、さいたまNPOセンター(同ネットワーク幹事団体)の三者が共同で当たった。
今回のNPO実態調査に際しては、量的及び質的の 2 種類の調査を実施した。
第 1 の量的調査(以下、アンケート調査)は、個々のNPOの実態と認識、具体的には組織の 有り様、活動の実績、協働の実績等を、量的に把握することを目的としたものである。
第 2 の質的調査(以下、ヒアリング調査)は、われわれ調査チームからのヒアリングの申し出 に応じてくれた団体に対して、調査員が訪問しインタビュー方式で意見聴取を実施するという方法を採用した。」(同調査)
今回は、この調査のうち、主にNPOの資金、協働、人材についての報告が行われた。
まず、NPOの困難事項として特定の個人に仕事が集中しがちであると、資金の不足が上位を占めた。
また、協働実績が減少していると同時に、協働を行ったことがないNPOの増加も顕著となった。
NPO自身の自己定義としてのNPOのタイプは「「ボランティア型」が 41%の 337 団体、「事業型」が 39%の 321 団体で、合計で全体の 8 割を占めている。士業型、ネットワーク型は、それぞれ 5%、3%と極めて低い比率となっている。
そして、資金については「活動に対する資金援助(補助金・助成金)」を希望しているNPOが65%となった。
従来の調査と比較すると、行政との協働を行ったことのある団体が大幅に減少しているが、回答したNPOが従来と異なっていることがあり、そのまま大幅減少とは言えない。
論議の中では「少額でも継続的な助成制度の設置」、「一定の割合や上限を設けて人件費など一般管理費の計上を認める」、「審査基準に「先駆性」ばかりを求めないでほしい」などの意見が交わされた。
ここで留意しなくてはならないのは、NPOだからではなく、NPOの「ボランティア型」、「事業型」などのタイプによって、その考え、活動やニーズが変わる時代に入ったことである。
この調査報告書は埼玉県やさいたまNPOセンターのホームページからPDF形式でダウンロードできる。
平成23年度 埼玉県NPO等実態調査報告書
http://www.saitamaken-npo.net/html/H23npotoujittaityousa.pdf