20120517

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 スローレポート 『S−Report』 (5/17号)

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  ◆◆◆ デザインの贈与あるいは贈与のデザイン ◆◆◆

    こども環境学会2012年大会(仙台)3

 

 22日、こども環境学会2012年仙台大会で学会賞受賞者記念講演会と分科会が行われた。 

  以下、WEBでも同じ内容を読めます。

  学会賞受賞者記念講演会
  http://www.slowtimes.net/2012/04/22/20120422/

  分科会6「被災地で見えた、遊び場づくりの意義~」
  http://www.slowtimes.net/2012/04/22/201204226/

  分科会9「震災復興まちづくり「歴史や景観の継承をこどもたちの手で…~」
  http://www.slowtimes.net/2012/04/22/201204229/

 22日、こども環境学会2012年仙台大会で学会賞受賞者記念講演会が開かれた。
 
 まず、こども環境学会デザイン賞の「志津川小アクションリサーチプロジェクト」(プレイグラウンド・サポーターズ)の記念講演がプレイグラウンド・サポーターズ代表の石原健也氏により行われた。
  プレイグラウンド・サポーターズは発災直後から宮城県南三陸町志津川地区に入り、大学教員、学生、建築家、専門家などが一部常駐もして被災者と協働で新しい生活の場づくりを行っている。
 まず、支援ともに共同調査や関係づくり、避難所でもある学校など復旧作業などを経て、こどもたちとのワークショップなどでウォンツとニーズを把握した。
 5月からものづくり、場づくりを開始し、仮設住宅の端にこどもたちの広場をつくり、そこがこどもたちの遊び場、高齢者の憩いの場となった。続いて、木製の床と屋根をつくり、そこが、大人の井戸端会議の場、こどものイベントスペースとなった。
 10月の志津川小の運動会に際して仮設住宅があるために狭くなった校庭に観客席をつくり、それを点と要して仮設住宅に縁側をつくったと所、こどもたち遊び元気な声の響く仮設住宅となった。
 
 現在は、これらの地域で人が集まれる場所、こどもが遊べる場所、高齢者が憩える場所として、いろいろと自由にレイアウトできて、冬の雪にも耐えられる施設を計画中である。
 
 石原氏はこれまでの支援活動とデザインを「デザインの贈与あるいは贈与のデザイン」言う。
 
 「この一年を振り返って、ぼくたちが常に悩み・考え・実践してきたこと。それを「デザインの贈与あるいは贈与のデザイン」という風に言いたいと思います。資金力も組織力もないぼくたちが、現地で出会った方々にむけてできたことは、デザインというスキルを使った、心を込めた贈り物であったと思うからです。」
 
 「支援活動というのは、支援する人/される人という関係をつくります。そこに摩擦が生まれる事も少なくありません。良いものを苦労して届けたのだから感謝されて当然という気持ちが支援側に芽生えます。
しかし、贈り物は本来、ものの方だけで決めません。誰に送りたいのか、その人はこれを気に入ってくれるだろうか、その人に似合うだろうかと、一生懸命考えると思うんです。それでもうまく届かない事だって多々ある。効率とか費用対効果では測れないものです。」
 
 「現在、制度に依って上から降ってくる補助金を如何に効率よく集めるかに復興計画の主眼があるように思います。そこを批判するのも大切ですが、今、皆さんの目の前にいらっしゃる被災された方々、とりわけ子ども達に、もう一度、私は何ができるのかを問い、あり余る情熱で関わり、効率の網の目に穴をあけていくことの方が、もっと重要なのではないでしょうか。皆さんの開ける多くの穴が連携していく事で、今は想像もできない未来が来るかもしれません。」

 こども環境活動賞の「障がいのある子どもと造形ワークショップ、障がいのある子どもと演劇ワークショップ」の記念講演が白梅学園大学こども学部准教授の杉山貴洋氏により行われた。
 ゼミの活動から始まったこのプロジェクトはこどもと学生が造形や演劇表現によって交流し場をつくることを構想し実現したものであり、こども一人に一人の学生が付き添って始まりから終わりの時間まで一緒に遊んだり、笑ったり、ずっと寄り添って行われている。
 このことが障がいを抱えたこどもと親、地域社会にとって理解と成長を促すことを実現している。
 
 
 その後、ポスターセッション表彰式を経て総括セッション、閉会式が行われた。
 
 総括セッションでは、まとめとして「一人のアイディアから始まる」、「こどもの役割(意見を言う)、大人の役割(子どもの声を聞く)と震災復興コミッショナーの設置」、「計画から実行へ」などがあげられた。
 
 そして、今回の成果と今までの震災支援と「東日本大震災支援にかかる行動計画」の活動、東北でのこどもたちの参画をもとに、震災復興計画への参画による「復興再生:子ども参画による子どもに優しいまちづくり」を実現を図ることとなった。


 22日、分科会6「被災地で見えた、遊び場づくりの意義 ~遊びがもたらす子どもの心身の回復及び成長~」が行われた。
 事例報告として気仙沼の報告として日本冒険遊び場づくり協会副代表の天野秀昭氏(大正大学特命教授)が、他地域のNPO が場所を借りて全国のプレパークの支援で被災地にプレイパークをつくった事例、石巻の報告としてめ組ジャパンの田中雅子氏が地元で浸水した公園のがれきの撤去から始めてプレイパークをつくった事例、仙台市の報告として冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワークの根本暁生氏から仙台で被災した公園を運営していたNPOが巡回出張型フレイパークを続けている事例報告された。
 
 そして、心のケアと子どもの自己回復力、災害前に培われる地域力、 被災から1年後の課題(外援支援から地域の運営、災害で表れた潜在的ニーズ等が論議された。

 遊び場づくりによってこどもが自由に、自分のタイミングで遊べる環境が生まれ、落ち着いたり、遊びの中でいやされることがあるという。
 また、こどもが遊ぶ姿を見て地域の大人が元気になり、大人が遊び場づくり加わって元気になる。
 今後は、持続的に遊び場を維持発展させていくことが課題である。


 22日、分科会9「震災復興まちづくり「歴史や景観の継承をこどもたちの手で…~ 土の人と風の人と、ゼロスタートで考えるこども参画のかたち ~」が行われた。
 
 「この分科会では、東京から東北へ通うよそもの研究者「風の人」が、東京から東北へ移り住み活動する地元実践者「土の人」を迎え、参加いただけるみなさま全員で車座になり、平場感覚で情報交換、意見交換を進めたいと思います。
 東北被災地での歴史や自然、景観を「再発見― 記録― 伝承― デザイン…」していく復興まちづくりを考える中で、特に地域のこどもたちがこうしたテーマに楽しく、やりがいを持って参画できる手法の可能性とそれを支え る大人の役割について、こども目線の考え方、こどもとの接し方、賢治に学ぶ自然や土地の捉え方、歴史に学び未来を描く精神、よそ者の地域へのアプローチ方法、流儀、心得といったさまざまな課題を検証し、これからはじめるこどもとの復興をゼロからのスタートで考え、学ぶ機会にしたいと思います。」
 
 風の人として東北芸術工科大学准教授の志村直愛氏、土の人としてNPO法人岩手子ども環境研究所理事長の吉成信夫氏の発題を参加者で共有してすすめられた。
 まず、土の人の吉成氏が岩手にやってきた理由を述べ岩手のいくつかの地域で暮らしてきた実感から地域の特性やつきあい方などを語った。
 次に、風の人の志村氏が、震災支援や復興支援で感じたことや外からの目で見えてきたことなどを述べた。
 
 参加者とともに東北でのつきあい方、地域のあり方、歴史などの特色を考え、こどもや地域のあり方を検討した。
 震災復旧や復興はその緊急性から大人中心、ハードや基盤整備を行うことに重点がおかれがちだが、文化、歴史や景観を未来を担うこどもたちと考えることが必要で、そのためにも外と内の視点、大人とこどもの視点の両方が必要である。

注) この記事内容は、発表者・主催者の見解ではなく取材したSlowtimes.netの見解に基づいて書かれています。したがって、ご意見はSlowtimes.netまでご連絡ください。

◆◆◆             ご案内              ◆◆◆

★★★ 埼玉地域ファンド研究会 第48回ご案内 ★★★

  NPOのお金の困りゴトを知る
  ──NPO等実態調査から

  お話:NPO法人さいたまNPOセンター 生越康治さん

…………………………………………………………

 「NPOはお金がない」ってよく聴くけど、それってホント?
  埼玉県は昨年度「NPO等実態調査」を行ない、団体の抱えている
 課題や寄附の状況などを調査。さいたまNPOセンターはヒアリング
 調査と全体のまとめを担当しました。
  協働への期待や本当に必要な助成金の在り方など、調査結果から見
 えてきたNPOの資金調達やNPOの事情について、みんなで知り、
 みんなで考えます。


  日 時▼ 5月16日(水)19:00~21:00
  お 話▼ 生越康治さん(NPO法人さいたまNPOセンター 事務局)
  場 所▼ 浦和コミュニティセンター IT研修室
       浦和区東高砂町11-1コムナーレ10階(JR浦和駅から徒歩2分)
       電話 048-887-6565
  参加費▼ 500円(定員30人)
  主 催▼ 埼玉地域ファンド研究会

連絡先/申込先
 特定非営利活動法人ハンズオン!埼玉
  〒330-0063 さいたま市浦和区高砂2-10-6
  TEL 048-834-2052 (平日10時~18時)
  FAX 048-826-5184
 (担当:川田・若尾)メール:torao@hands-on-s.org

▼参加申込フォーム
…………………………………………………………
5日16日 
に参加を申込みます。

(1) 参加者名
(2) 団体名 

※初参加の方は、以下の日中連絡先もご記入ください。
(3) 住所 □自宅  □所属先
  〒            
(4) 電話番号
…………………………………………………………

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★埼玉地域ファンド研究会とは?
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 埼玉県内で、地域福祉やまちづくりに関心のあるメンバーが、
 「お金とファンド」を切り口に考えていこうとたちあげた研究会です。
 ハンズオン埼玉、都市づくりNPOさいたま、さいたま地域通貨フォー
 ラムのメンバーを中心に活動を行っています。
 研究会では、助成金、寄付、地域通貨、CSRなど、多様な切り口で
 勉強会を毎月第3水曜日に開催中!

【最近の活動記録】
 第32回「東京ガス埼玉支店のCSR グループ内・支店単位でのCSR推進」
     (2010.2.17)
 第33回「【ワークショップ】魅力的な事業報告書をつくろう!」(2010.4.14)
 第34回「サデコの福祉支援活動 ?プロボノ活動への期待」(2010.8.26)
 第35回「社会をつなぐコミュニケーション」(2010.10.20)
 第36回「路地歩き & おいしい野菜を食す会 at 小川町」(2010.1114)
 第37回「ファンド研忘年会 at 飲んで食べて「のら応援」(2010.12.15)
 第38回「緊急企画!埼玉で「新しい公共支援事業」を考える」(2011.2.16)
 第39回「埼大発!地域と学生が出会うとき」(震災で中止)
 第40回「食べて飲んで東北応援」(2011.5.18)
 第41回「ココが変わった!新寄付税制&NPO法改正」(2011.7.27)
 第42回「交流会・彩ボールを楽しむ会」(2011.8.17)
 第43回「省エネ時代のCSR リフォーム会社 OKUTA」(2011.9.20)
 第44回「知って得する!新寄付税制&NPO法改正セミナーin 朝霞」
     (2011.10.12)
 第45回「社会をよくする商品なんでも研究会」(2011.12.21)
 第46回「埼玉らしい寄付のあり方を考える!神奈川県の個別指定NPO条例
     づくりを参考に(2012.2.16)
 第47回「今、改めて助成金を考える
     ─東京都社協民間助成団体部会の活動から」(2012.4.27)


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