じもと就職を考えるシンポジウム
NPO法人広報じもと
3月3日、NPO法人広報じもと「じもと就職を考えるシンポジウム」(共催 NPO法人広報じもと、鶴ヶ島市)が鶴ケ島市のワカバウォークで開催された。
「就職は地元企業の時代だ!
大学生の就職内定率は71.9%、高校生は73.1%(平成24年1月17日厚労省発表資料)
円高に伴う企業の海外シフトが続き、学生の就職事情は厳しさを増しています。
そんな中、国内の地元企業に関心が集まるようになってきました。
東上線沿線にある大学の地元企業へ就職する割合はまだまだ低いのが現状です。
その問題点はどこにあるのか?などを明らかにして、地元就職を進める契機にしたいと考えます。
これから就職を迎える人、保護者の参加をお待ちしています!」(趣旨)
開会あいさつの後に、鶴ヶ島市産業振興課長の町田偉将氏が市としても地元の就職は重要な課題であり、市内のNPO法人がこのようなことを企画していることが
基調講演「大学生・いまどきの就職事情ーじもと就職を考える」として城西大学現代政策学部准教授の石井雅章氏が講演した。
石井氏が、大学生の言う「地元で就職したい」「地域に貢献したい」の本音から全国や大学の統計による実態、そしてリクナビや「シュウカツ」の問題点などを語った。
そして地元就職の可能性として自力で地元で就職した男女の学生事例からそのあり方や可能性について語った。
パネルディスカッション「大学生・いまどきの就職事情―地元就職の可能性」では、NPO法人広報じもと理事の鈴木香菜子氏がコーディネートして、石井氏に加え、渡辺経営コンサルティング代表の渡辺政之氏、くらづくり本舗常務取締役中野正剛氏、現役大学生で就職が決まった柴田真里江氏、地元で働く若者として石橋啓一郎氏などが登壇した。
中野氏は川越の老舗和菓子屋のくらづくり本舗の採用状況を話した。また、常に新商品を開発している同社は社員に定常業務だけでなく和菓子そのものの商品開発、パッケージ開発、営業開発などの創造的な仕事をもとめているので、そのような人材をもとめているという。
柴田真里江氏は自分の就職体験を語りながらリクナビに頼らない就職活動や広報じもとでのNPOインターンシップに培ったものを述べた。
石橋氏は東上沿線新聞記者、埼玉新聞タウン記者、サイタマニアツアーなどで活躍している自らの地元での働き方について語った。
渡辺氏はコンサルタントとして企業の立場から大学生は優良企業について考えてほしいと述べた。有名企業や大企業だけが優良企業ではなく、地元企業でも、小さな企業でも優良企業が存在するので、それを探していくことが重要ということである。
このイベントは鶴ヶ島ボランティア・市民活動フェスタ2012のひとつで、また、NPO法人広報じもと発足記念として、川越商工会議所、鶴ヶ島市商工会・埼玉新聞社などの後援、LLPじもとメディア協力で開催された。
先月16日に、埼玉県、佐賀県が政府所管のハローワークの業務を試験的に引き受ける「ハローワーク特区 」となることになり、自治体も就業に力を入れられる時代となったが、今回のように市民・NPOと行政、企業、大学がともに取り組むことが必要ではないか。