関東ESD学びあいフォーラム
-多様な人と地域を生かすコーディネーション
2月27日、「関東ESD学びあいフォーラム -多様な人と地域を生かすコーディネーション」(主催 環境省関東地方環境事務所)が国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた。
「わたしたちが営む地域を、ワクワクドキドキ、持続可能なものにしていきたい」という想いで活動している人はたくさんいます。
でも、立場の違いでなかなか一緒に活動できていないのが現状です。
今回のフォーラムでは、様々な立場で活躍している地域コーディネーターが集まり、「持続可能な社会を創るコーディネーターのあり方」という視点から、抱える課題を共有し、解決に向けて話し合います。」(開催趣旨)
第1部のパネルディスカッション「持続可能な地域に向けたコーディネートの成果と課題を共有しよう」では、理事の森良氏のコーディネートですすめられた。
まず、「マルチステークホルダープロセスと地域円卓会議の可能性」として認定NPO法人茨城NPOセンター・コモンズの常務理事の横田能洋氏が、茨城の地域円卓会議の経緯やその役割などを述べた。政府の社会的責任に関する円卓会議で茨城が地域円卓会議のモデル事業に指定され、以前から茨城で行われていた各セクターの協働のNPOフォーラムを土台に、実践の中で論議の枠組みづくりを行い、マルチステークホルダープロセスの場を設けることができた。そして、このような仕組みこそが大きな意味でのコーディネーションとなる。
次に、「コーディネーターの役割について」としてNPO法人都留環境フォーラムの高見滋氏が同NPOの仕事を紹介しながらも自らのコーディネーターとしての活動を述べた。高見氏は、地域の実情あったプロジェクトをプランナーとして市民・住民や行政に提案し、コーディネーターとして実施までの流れを作り、人と人をつなげていけば、いろいろなことができることを、教育事業「チャレンジジャーニー」や「ムササビとともに暮らす里山再生」などの実例で語った。
そして、「地域は大きな教室」として小平市立中学校学校支援コーディネーター連絡協議会の布昭子氏は小平市の学校支援コーディネータとしての実践から学校にかかわるコーディネーションについて語った。布氏は、豊富な経験から学校や学校内の地域支援本部でコーディネーションしていくには、「受けとめる」、「知らせる」、「つなぐ」、「育てる」の4つの役割があり、協働という対等な関係で一緒に活動を作りあげていくための調整をはかることが重要と述べた。
2部の分科会「コーディネーションの大切さや課題について話し合おう」は3つの分科会に分かれて行われた。
第1分科会「行政と市民の関係のあり方」では、茨城NPOセンター・コモンズの横田氏がファシリテーターとなって身近な自治体と市民との関係について論議され、第2分科会「市民のエンバワーメント」では、わくわくコミュニティの鈴木まり子氏がファシリテーターとなって各人の「市民のエンバワーメント」の課題が語られ、第3分科会「コーディネーターのスキルアップ、ネットワーキング」では、東京都北区社会福祉協議会の小原宗一氏がファシリテーターとなって、主に学校コーディネータ、教育コーディネータのスキルフップの問題が討議された。
第3部の全体会「持続可能な地域に向けたコーディネートの方向性を確認しよう」では、これら3つの分科会の議論をボスターセッション形式で参加者全員が聞き、それを受けて具体的な多様な人と地域を生かすコーディネーションについての論議が深められた。
最後に、環境省関東地方環境事務所より+ESDプロジェクトとESD学びあいフォーラムについて述べられた。
このフォーラムは、環境省のESDコーディネーターのあり方検討会に論議に基づき、1月23日には筆者も含めて関東各地のESDコーディネーターで事前ワークショップを行い、今回の関東ESD学びあいフォーラムが行われた。
終了後に、今回の議論を受けて関東各地のESDコーディネーターで持続可能な地域に向けたコーディネートの方向性を論議して来年につなげた。
関東ESD学びあいフォーラム
http://www.esd-j.org/j/documents/2.27kanto-forum.pdf