ふくしまで深呼吸したい
それに離れたから、福島がどういう扱いかが見えてしまう。
福島にいると、福島はもう普通だと錯覚しがちかもしれない。
でも県外の方にとっては、「かわいそうな県」「もう行けないし行かないところ」
「物も買いたくないし、人も避けたいところ」になりました。
鎖国のようです。
被害を被ったのに、忌み嫌われる。
なのに福島市の人は言います。
「津波で亡くなった人を思えば・・・」「家がなくなった人を思えば・・・」
「強制避難区域の人を思えば・・・」
「原発で作業してる人を思えば・・・」
「生きてるだけでありがたい」「家があるだけありがたい」「住めるだけでありがたい」。
そうだけど!
確かにそうなんだけど。
原発に作業に行かなければ、言う資格がないのかと、
私もそう思って、黙ってしまうこともあった。
今までの価値観なら、“ないものを嘆くより、あるものに感謝”でした。
愚痴も泣き言もあるけれど、自分の努力で前向きに。
でも、今回は“私事(わたくしごと)”ではない。
福島の人口は日本全体の1.6%です。
宮城・岩手と合わせても5%。
東日本に放射能の不安はあるとはいえ、福島は特別の被害です。
西日本なんて、まったく普通ですよ。
日本の大半の人は、原発事故で傷ついたり悩んだり、失ったりしてない。
福島の人だけがなぜそこまでしあわせの基準を落とさなければならないの?
それに亡くなった方は、言いたいことがあってももう何も言えない。
同じ福島県民として、今生きている私たちは言ってもいいんです。
というより私は、言わなくてはと思う。
放射能の事故は、日本の問題・世界の問題です。
政治・経済のエゴイスティックで恐ろしい膿はあちこちに隠されていて、それがたまたま福島で露呈した。
にも関わらず、まだ政府は隠そうとしている。
地方行政も同じ。
国民県民は守られない。
-略-