デジタルコンテンツのDRM(著作権管理)サービスを手がけるアイドック株式会社は21日、書籍に付属する愛読者カード(アンケートハガキ)の集計・管理代行サービス「i読(あいどく)」を発表した。出版社などは、同サービスを利用することで、カード返送者に対し、メール経由でデジタルコンテンツを配布することが可能。「紙版書籍の購入者にのみ、電子書籍を無料/有料で提供する」といった用途に応用できるという。サービスの利用手数料は、戻りハガキ1枚につき100円。電子コンテンツの有料販売時などには別途費用が発生する。
「i読」は、出版社やクリエイターを直接の対象としたサービス。紙の書籍や雑誌に付属する愛読書カードの受理および集計を、アイドック側で代行してくれる。依頼主側は、所定の内容の愛読者カードを印刷し、書籍に添付する作業が必要となる。なお、切手代はアイドックが受取人払いで負担する。
あわせて、愛読書カードにメールアドレスを記載した一般読者に対しては、アンケートフォームのURLを送信できる。アンケート回答後には、あらかじめ用意したデジタルコンテンツをダウンロードしてもらうことが可能だ。
対応コンテンツはPDFおよびEPUB。HTML5を利用したH.264動画、MP3音声の配信も可能。紙版書籍と同内容の電子版、ページの都合でカットされた記事、著者インタビュー動画の配信などに対応できる。また、コンテンツはiPhone、iPad、Androidで閲覧できる。WindowsやMacについても段階的に対応していく。
なお、読者へ無料でコンテンツを提供する際は、出版社に対するダウンロード回数ごとの手数料などは発生しない。ただし有料配信する場合は、課金手数料などを差し引いた額から25%のサービス利用料が発生する
デジタルコンテンツの配信にあたっては、アイドックのDRMサービス「bookend」を利用するため、閲覧端末や閲覧期間を出版社側の意向で制限することができる。また、コンテンツ自体も暗号化される。
アイドックでは、購入者限定の電子コンテンツ配信サービスを提供することで「自炊と言ういろいろな意味で不自然な行為を必要ないものにします」とアピール。10月25日開催のイベント「eBPMeetup2011 電子出版2年目の課題と3年目への展望」(電子書籍を考える出版社の会主催)でも、サービス概要を説明する予定。