20100904

 

 

武蔵野・三鷹メディフェス2010


 

   9月4、5日に第8回市民メディア全国交流集会「武蔵野・三鷹メディフェス2010」が東京の成蹊大学で開催された。  

 この『メディフェス』は、市民メディアの実践者や研究者、関連する人たちが年に一度集う祭典で、「全国の皆様と交流を深め、市民メディアの活動・研究の発表、シンポジュームなどを通して今後のメディアのあり方を話しあう」ものです。    

 

 武蔵野・三鷹メディフェス2010      

   http://medifes.net/ 

 

 今回は、むさしのみたか市民テレビ局開局10周年イベントとして、「みんなのメディア 明日(あした)に向けて」をテーマに「市民が自ら発信者となるとき、どのような変化を社会にもたらすのか。明日を開くメディアを多くの人たちとともに考えるシンポジュウム、様々なテーマの分科会、各地の市民による作品の上映会や地元ドキュメンタリー映画の上映会、著作権のミニトークなど、興味深い企画が盛りだくさんです。」(同実行委) 

 

 Slowtimes.netは分科会「地元のメディアを考える〜コミュニティアをつくるメディア・メディアリテラシー」と展示を行った。

 

 

シンポジウム1 市民テレビ局が地域にある意味
シンポジウム1 市民テレビ局が地域にある意味

 

◆シンポジウム

 

 シンポジウム1『市民テレビ局が地域にある意味』では、市長やケーブルテレビ局、むさしのみたか市民テレビ局などの関係者がこの問題について述べた。 

 

 三鷹市長の清原慶子氏は、市民テレビ局は市民が地域に関わる力を育む、メディアリテラシーを育む、支え合う力を育むものだと語り、今後は、Yuotubeなどの新しいメディアとどのように連携していくかを考えていく必要があると述べた。

   武蔵野市の長邑上守正氏は、地域の情報は行政だけでは発信できないので、市民テレビ局のように市民の力による地域情報の発信が重要だと述べた。

 

 武蔵野三鷹ケーブルテレビ株式会社の代表取締役社長福田治樹氏は、市民と協働のために同ケーブルテレビとNPO法人むさしのみたか市民テレビ局が締結しているパートナーシップ協定の経緯、意味などを語った。

 

 NPO法人むさしのみたか市民テレビ局の代表理事西海真理氏は、市民テレビ局の社会的意義以外に、市民テレビ局によってひとと出会う、居場所となるなどの意義を語った。

 

 シンポジウム2『市民メディアの過去、現在、未来』では、小川明子氏(愛知淑徳大学准教授)、白石草氏(OurPlanet-TV )、松原明氏(ビデオプレス)、津田大介氏(メディアジャーナリスト)が、激変したメディア環境において「市民メディアははたして何をやってきたのか? 現状はどうなのか? そしてこれからどこへいくのか?」を論議した。

 

 シンポジウム3「むさしのFM15周年記念 防災シンポジウム〜多摩の防災 コミュニティFM・多摩4局の担うもの〜」とでは基調講演「ヘルメットを被って放送を続けた」脇屋雄介氏(新潟県のFMながおか 放送局長)とパネルディスカッションでは、久保田浩友氏(むさしのFM)、 袴田荘之助氏(調布FM)、有賀達郎氏(FM西東京)、梶範明氏(エフエムたちかわ)、脇屋雄介氏(FMながおか) が、「防災」をテーマにコミュニティFMの地域への役割を論議した。

 

 

◆分科会

 

 「カフェ放送てれれ東京支部—マイノリティの側から語る市民メディアの魅力—」、「市民メディアをめぐる大学の現在」、「市民とメディアが作るメディアのCSR」、「電子出版と市民メディア」、「マスメディアとNPOとの協働は可能か?」、「ソーシャルソーシャルメディア大集合」、「市民メディアと地域SNS」などが行われた。

 

 

 分科会「地方からの視点をどう伝えるか~ローカルをつなぐメディアの役割」では、おもに地域の新聞の問題について論議された。

 

 清水真(昭和女子大学人間社会学部教員)は、地方誌の状況や存在意義について語り、「地方紙」が地域が共通に抱えている問題を共有し、「地方紙」のネットワークを広げ、記事交換などによって、他紙の取材などを学び合うことが必要だと述べた。

 沖縄タイムスの田口東京支局長は、沖縄の基地問題などの本土の新聞と沖縄の温度差について述べ、沖縄タイムス、長崎新聞、神奈川新聞の合同企画「安保改定50年」の試みなどを語った。

 ローカルビスカフェの運営に携わる地方紙社員から地域の人をつなぎ、新たな新聞やメディアを生み出す試みとして「ローカルビスカフェ」の実践が語られた。

 

 このような地方紙の試みをまとめた書籍「日本の現場 <地方紙で読む>」の紹介もされた。

 

 

 分科会「アジアの紛争と平和構築〜市民メディアの挑戦」では、日比野純一氏(FMわいわい代表、世界コミュニティラジオ放送連盟AMARC 日本協議会代表)のコーディネートにより南タイ、東チモール、インドネシアの報告を聞き、市民メディアによる平和構築を考えた。

 

 南タイの状況についてシーソンポップ・ジットピロムシ氏・Srisompob Jitpiromsri(ディープ・サウス・ウォッチ所長/プリンス・オブ・ソンクラー大学パッタニー校政治学部助教授)、ムハマド・アユッブ・パタン氏・Muhamad-Ayub Pathan(ディープ・サウス・ウォッチ編集長/バンコク・ポスト紙他特派員)、ソーラヤ・ジャムジュリー氏・Soraya Jamjuree(プリンス・オブ・ソンクラー大学パッタニー校情報発信部長/NGO「Friend of the Victimized Families Group 犠牲者の家族の友」コーディネーター)から報告があった。

 

 東チモールについてはユリコ・ペレイラ氏・Mr. Eurico Pereira(ラジオ・ラカンビア代表)、インドネシアについてはアデ・タネシア氏・Ms. Ade Tanesia(コンバイン・リソース・インスティトゥーションメディア・マネージャー)から報告があった。

 

 

Slowtimes.net 分科会

 

 地元のメディアを考える  -コミュニティをつくるメディア・メディアリテラシー

 

 「マスメディアの日刊紙やテレビでの地域情報の減少、また、ネットやケータイによるコミニケー ションの変化がおこっています。一方、市民メディアが多様な形で広がっていますが、地域での認知はマスメディアより低いのが現状です。

 地域にとって市民メディアの役割や地域においてのマスメディアとの関係などを考えるセッショ ン・ブレゼン(展示)を行います。  このことでメディア・メディアリテラシーがコミュニティづくりにどうかかわれるかを参加者とと もに検討します。」(趣旨)

 

 まず、「地元のメディアを考える」としてコーディネーターの長岡素彦(Slowtimes.net 代表)が、この10年でおこったこととして、メディアでは「ネットメディアの成長」 、「地方の紙メディアの衰退」、地元では「まちのコミュケーション」の縮小、「デジタルコミュケーション」の拡大がおこっているが、市民メディアはこの状況にどのように対処して行ったらいいのかなどの問題提起がされた。

 

 

 Slowtimes.net

   http://www.slowtimes.net

 

 

LLP(有限責任事業組合)じもとメディア 代表 市川勤氏と鈴木香菜子氏
LLP(有限責任事業組合)じもとメディア 代表 市川勤氏と鈴木香菜子氏

 

「じもとメディア」について、LLP(有限責任事業組合)じもとメディア 代表 市川勤氏と鈴木香菜子氏が事業体(LLP)として行っている市民記者、こども記者の養成、地域の広報誌の受託、歴史ツーリング、今後の展開としてフリーペーパー、自治体との協働のプロジェクトについて語った。

 

 じもとメディア

 http://jimotomedia.com 

 

 

「我がまち発見映像塾」について市民映像フォーラムで講師をつとめた長岡素彦が、埼玉県との協働事業「我がまち発見映像塾」による市民映像記者の養成と作品制作、デジタルアーカイブなどについて述べた。

 

   市民映像フォーラム

 http://eizou.suketto.biz/top.html    

 

ピープルズシアターリコリコ の代表 橘たか氏
ピープルズシアターリコリコ の代表 橘たか氏

 

 「ピープルズシアターリコリコ」について、ピープルズシアターリコリコ の代表 橘たか氏、山本大氏が「みちばた劇まつり」や「川越まち語り」によるによるまちのコミュニケーションの再創 、演劇的手法のWSや川口のこどもエンゲキ探検隊のコミュニケーションの再創について語った。

 

 ピープルズシアターリコリコ 

 http://ricorico.ws

 

ピープルズシアターリコリコ の山本大氏
ピープルズシアターリコリコ の山本大氏

 

 セッション・全員討議では、地域にとって市民メディアとコミュケーション団体の役割や地域においてのマ スメディアとの関係などを考え、このことでメディア・メディアリテラシーがコミュニティづくりにどうかかわれるかを論議した。

 

 実感できる地域である「地元」が衰退した現在、市民メディアやコミュニケーションづくりは「じもと」を再創できる可能性がある。


 そのために必要なのは市民メディアの「持続可能性」(持続可能性の追求)、「収益性」(収益性の確保)、「養成」(市民記者、市民映像記者などの養成)が必要であり、市民メディアの担い手には(まちづくりに必要な「三つの者」と同じく)「わかもの」「よそもの」「ばかもの」が重要である。 

 

 

まとめ(下記のようにまとめました)

武蔵野・三鷹メディフェス2010 Slowtimes.net分科会資料 「 地元のメディアを考える」
0904.pdf
PDFファイル 106.3 KB

 

 

■学生交流分科会 


 学生交流分科会では「メディアプロジェクト」(東海大学文学部広報メディア学科)「学生が調べた市民メディアの歴史」(武蔵大学メディア社会学科)「メディアリテラシー実習作品紹介」(成蹊大学)などが行われた。

 

阪神淡路大震災[写真調べ学習]プロジェクト
阪神淡路大震災[写真調べ学習]プロジェクト

 

 学生交流分科会「阪神淡路大震災[写真調べ学習]プロジェクト」(横浜緑ヶ丘高校)は、大震災当時の新聞写真をもとに生徒たちが《震災の記録写真を読み取って、知りたいこと、納得いかないことを調べる》ものであり、被写体となった人々やカメラマンの想いを同校の生徒たちは語った。

 

僕たちの阪神大震災ノート 公式サイト/震災写真[調べ学習]プロジェクト

 

南会津おらが芸品館プロジェクト
南会津おらが芸品館プロジェクト

 

 学生交流分科会「南会津おらが芸品館プロジェクト」(武蔵野美術大学アーツプロジェクト)は、福島県南会津町の御蔵入の里会津山村道場の古い木造建築を「デザイン的手法と地元職人技術を採り入れ、地域住民と一緒に修復し創り上げる体感型ミュージアムの創造」行うもので、その様子を学生が発表した。

 

情報交流広場
情報交流広場

 

 その他、市民メディアの展示の情報交流広場、三鷹のNPO法人子育てコンビ二の制作の映画「bloom ~生まれたのは私~」などの上映の市民映像交流、ワークショップ「みんなでつくる ネット版ビデオ制作マニュアル」、報道被害の疑似体験の「報道被害小屋」、中庭での8mになる大きな布絵本の「よみきかせ」などが行われた。

 

 全体会では、下村健一氏のコーディネートにより分科会の報告を「多様な現場からの報告」、「地域、コミュニティ、ソーシャル考」、「マスメディアとの関わりの中で」としてまとめ、「みんなのメディア、明日に向けて」を参加者と考えた。

 

 また、メディフェス・メディアとして学生ボランティアなどがガリ版新聞、ラジオ、テレビで会場の同時中継をした。

 

 このメディフェス・ネビュラも実施され、各種市民メディアの交流もはかられた。


メディフェス・ネビュラ

http://medifes2010.ai.rcast.u-tokyo.ac.jp/

 

 

参考 

 

第8回市民メディア全国交流集会  

武蔵野三鷹メディフェス2010    

http://medifes.net/

 

むさしのみたか市民テレビ局へのリンク

http://www1.parkcity.ne.jp/mmctv/ 

 

むさしのみたか市民テレビ局ブログ  http://blog.livedoor.jp/mmctv/ 

 

J-CAM  

http://sites.google.com/site/jcammain/home

 

 

メディフェス・ネビュラの説明
メディフェス・ネビュラの説明

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