サデコの福祉支援活動 ~プロボノ活動への期待
8月26日、埼玉地域ファンド研究会の第34回「サデコの福祉支援活動 ~プロボノ活動への期待」がさいまた市のシーノ大宮で開かれた。
同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成する。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」 )に関する検討を進めている。
社団法人埼玉デザイン協議会(通称:サデコ)は、いろいろな分野のデザイナーや市民により1986年に『地域に根ざし、住み良い社会の創出』を目的に設立され、デザインを通し埼玉の文化や産業、福祉事業の振興に貢献してきた。
サデコにはスクール委員会、デザイン振興委員会、情報・交流委員会、授産事業、SS・福祉委員会があり、『親子で作る楽器教室』、『授産施設商品の開発支援』、『ニューシャトル新車両デザイン協力』やエコカーの『ラッピングデザイン』などの事業に取り組み、埼玉県産業技術総合センター内で授産施設の商品・県産品のアンテナショップ『サデコ・ショップ』を運営している。
今回はデザインの専門家集団として専門性を生かした社会貢献活動「プロボノ活動」について理事の山岡和彦氏が語った。
福祉施設や授産事業に対する幅広いデザイン支援は初期から行っており、障がいを抱えた人々とともにデザインしつくることでサデコのメンバーも多くのことを学び、また、当事者もいろいろなことができるようになり、明るくなっていったという。
近年は、県やさいま市などの福祉事業へのアドバイス事業を通じて多様な支援をしている。そのひとつの春里どんぐりの家への支援は、「お客様視点の商品開発」、「パッケージ開発」、「販売支援ツール」などの総合的商品支援であると同時に春里どんぐりの家ストリーづくりによるCIでもあり、当事者が自信を持って自分の仕事に取り組むきっかけとなっているようだ。
また、授産施設の商品・県産品のアンテナショップ『サデコ・ショップ』は長らく別の場所にあったものを、新たに県と協働で会員が手作りでデザインし、つくりあげて、運営している。
この活動はデザインの専門家集団として専門性を生かした社会貢献活動ではあるが、サデコのメンバーにとってもいろいろなデザインを行う機会であり、いろいろな人とデザインを通じて仕事をすることで、本業にも反映できることがあるという。
弁護士の法的社会貢献活動に起源をもつ「プロボノ」は、現在では職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア的な活動全般をいう。
サデコの20年以上の取組みはその積み重ねた実績や継続性もさることながら支援する人も支援される人もとにも働くことで成長し元気になる活動という他に類をみないものではないか。
社団法人 埼玉デザイン協議会
『サデコ・ショップ』